2011年4月アーカイブ

「日本でも最近の大都市のスモッグに同じような理由があるのではないかと疑われているので、本調査団は日本の資料をハーゲンシュミット博士に提出して意見を聞いた。

日本のスモッグは太陽光線の弱い冬期に多いことから、むしろロンドン型の霧と煙によるスモッグだと思われるからである。

ハーゲンシュミット博士はほぼわれわれの見解と同意見であったが、なお今後の研究について多くの示唆を得た。

ロサンゼルスでは炭化水素の規制を強めることによって窒素化合物を多発し、スモッグ防止には効果がなかったことが分り、この規制の方法について研究を続けている」

スモッグが問題のなったのはロサンゼルスですが、車のあるところではスモッグが起こっていました。

今の日本は中古トラックも規制されていますが、当時は全ての車が排ガスを撒き散らして走っていたのです。

「ホッとしたのもつかの間、また大きな難問にぶっつかりました。

ある特定の状態の下では、カーボンシールにピッティングという虫食い現象ができて、性能が落ちてしまうのです。

特定の状態というのは"ドクター・モード走行"といわれている都会地のノロノロ運転のことです。

夜間に急患に呼ばれた年配の開業医が、まだエンジンが十分にあたたまらないうちに始動をかけ、ごく短かい距離を慎重に運転してすぐ停まる、また次の患者のところへ短距離を走って停まる、という状態によく似ているから"ドクター・モード走行"というのでしょう。

このような運転を続けるとピッティングができてガスがもれやすくなるのです。

これもカーボンの顕微鏡的な組織観察を続けて、ついに克服しました。

完成したのは昭和45年で、マツダさんと共同研究をはじめてから6年かかりました」

街中を走る乗用車や中古車トラックには致命的な問題ですが、これも時間をかけてクリアしていきます。